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あたしに全部見せなさいっ!~大学編~
第7章 種明かし
だけど、荒巻先輩が嘘を言っているようにも見えなかった。柚留に恋愛感情を持っているようにも、ポスター以外の目的があるようにも。
柚留もあたしを好きだと言ってくれている。隠していたことも、その理由も教えてくれたし謝ってくれた。
でもまだなんだかすっきりしない。
その時ふいに柚留のスマホがなった。着信。
「あ、谷内くん。ちょっとごめんね、出てもいい?」
「いいよー」
柚留がスマホを耳に当てる。
「もしもし。……あ、今日は中止になったよ。また後日撮るって」
ん? ポスターのこと?
柚留はあたしには隠していたくせに、谷口くんには話していたのだろうか。
「あ、えっと、まだいつとかは決まってないよ? んー、どうだろ。そういうのも全然……。わかってるってば。時間が会えば一緒に連れていくよ。ん、そんなに何日も先じゃないと思うけど……」
一緒に連れていく? 流れ的に、ポスターの撮影場所にってことかな?
あたしはついつい真剣に、柚留の言葉を聞き込んでしまっていた。
「わかった、また決まったら連絡するね」
それを最後に、スマホを切る柚留。