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あたしに全部見せなさいっ!~大学編~
第7章 種明かし
あたしはじーっと柚留に視線を注いだ。
柚留がえっという顔になる。
「な、何?」
「ねえ、いろいろとおかしくない?」
あたしは単刀直入に、聞いた。
今の電話、直球に言って変だ。
「……何が?」
「なんで谷内くんがポスターの写真撮影に同行するの? そもそもあたしには恥ずかしくて言えなかったくせに、なんで谷内くんには話してんの? その男の娘ポスターの件。てかさ、あんたが荒巻先輩と、そのお連れの……演劇部の人だっけ? と一緒にいるとこ二回くらい見てたんだけど、確かどっちも谷内くんいたよね? この間だって、電話で彼から誘いが来てて、そのあと荒巻先輩たちと会ってたし」
「あ、えっと……、そ、それは……」
いっきに疑問点をあげ連ねると、柚留は動揺を見せた。大きな瞳をキョロキョロとさ迷わせる。
「まだ何か隠してるでしょ?」
このタイミングならと、あたしはとどめの一言を投げかける。怒っているわけではなかった。ほとんどの誤解は解けたし、何よりも浮気じゃなかったことが嬉しくて。
柚留の綺麗な顔をじろりと見つめたまま、返答を待つ。