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あたしに全部見せなさいっ!~大学編~
第7章 種明かし
「実は、ね……」
数秒の沈黙の末、柚留はやっと観念したのか軽く瞼を閉じて、打ち明けてくれた。
「ええっ? 谷内くん、荒巻先輩のことが好きなの!?」
「うん。……一目惚れなんだって」
柚留は少し疲れたように、ため息をつく。
「入学式の次の日くらいに先輩から声をかけられたんだけど、谷内くんも一緒だったんだ。その時に一目惚れしたみたい……。新歓のポスターモデルに誘われて、いきなりだったし女装も嫌だったし……まりねちゃんがいるのに女の先輩といろいろやり取りするのも悪い気がして、断ろうとしたら……谷内くんが勝手にやるって言っちゃって。荒巻先輩と付き合いたい、関わるきっかけが欲しいから引き受けてって耳打ちされて、断れなかったのもあって。連絡先も交換しちゃった、ごめんね」
「それは知ってる。見てたし」
「ええっ? ……そうなんだー、声かけてくれたら良かったのに」
「かけれないよー……」
思えば不信感を抱き始めたきっかけは、あの時だった。そんなことが起こっていたとは、びっくりだ。
谷内とはほとんど話したことがなかったけれど、一目惚れをするタイプなのは意外に感じた。