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第4章 サークル見学にご用心！

　ーーで、夕方。

「あ、あれ？　まりねちゃん、ここって……」
「おいまりね、話と違くない？」

　柚留と詩織はとある教室の前で、呆然と立ち尽くしていた。

「何がー？　漫研サークルだよ？」
「……確かに略したら『漫研』だけどっ」

　詩織はズビシっと、教室の窓に貼られた勧誘用のビラらしきものを指差す。

「正式名称、『ボーイズラブ』漫画研究サークルじゃないのっ」
「まあねー。BL漫画専門のサークルっていうね」

　だって、あたしが描いてる同人誌はそれのみだもん。普通の漫画サークルもあったけど、ちょっと話を聞いたところ、そっちのサークルは少年漫画の研究が主らしい。
　絵柄だって違うし、あたしに合っているのはどう考えてもBLの方でしょう！　というわけで、こっちに入る気満々なのだ！

「……あたし、帰ろうかなぁ」
「ええええ!?」