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第4章 サークル見学にご用心！

　教室を離れ、通路を進んでキャンパスを出て、そこでようやく柚留の手を離す。

「まりねちゃん、怒ってる？」

　ちょっと乱暴に、しかも無言でずんずん引っ張ってきちゃったからか、柚留はあたしの様子を覗きこむようにして窺ってきた。
　……怒ってるっていうか、ぶっちゃけむかついてはいるけど。

「あのさあ、柚留はなんで拒否んないの？」

　ついついとげとげしてしまう口調。

「……え？」
「えじゃなくてっ。ベタベタ触られたり女装させられそうになって嫌じゃないの？」
「……嫌だけど」
「だったら、なんでへらへらしてんのっ？　柚留がそんな態度だから、みんな寄って来るんだよっ」

　ついつい口調がきつくなってしまう。だって、先輩たちから質問攻めにされてもベタベタ触られても、柚留はいつものようにおっとりしてるんだもん。あたしが連れ出さなかったら、女装させられて資料にされてたかもしれないのに、当の本人からはそんな危機感も感じないし。