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あたしに全部見せなさいっ!~大学編~
第4章 サークル見学にご用心!
だんだんイライラしている内容が最初の趣旨とずれてきてるのに気付き、はっとする。
柚留も戸惑っているようだった。
「待って、なんでそんな話になるの? 僕、まりねちゃん以外の女の人に興味ないよ……? 漫研のサークルだって、まりねちゃんが好きなことだったから行ってみたかっただけで、女の人目当てなわけじゃ……」
ちょうどその時だった。
柚留のスマホの着信が鳴った。授業が終わり、バイブを解除していたみたい。
「……電話出れば?」
出ようとはせずに、あたしの方ばかり見ている柚留に、そう一言。
「……うん、ごめん」
通話を押して話し始める。どうやら、谷内くんみたい。
「え、今から? ……うん、うん、あ、そうなんだ。えっと、あ、でも今は……」
相づちからわかる。何かのお誘いらしい。
「……行ってきていいよ?」
あたしはなるべく優しい声音を心がけて、柚留に言った。
柚留の言葉で、すっかり怒りは沈静されていた。
あたし以外の女の人に興味ないって、はっきり言ってくれたのが嬉しかった。それに、ここでまた怒りに任せて柚留を傷つけてしまったら、前と一緒になっちゃう。いや、すでにちょっと言い過ぎたけどっ。