この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
あたしに全部見せなさいっ!~大学編~
第4章 サークル見学にご用心!
ここは大人にっ。大人にならなきゃっ!
柚留はちょっと申し訳なさそうにあたしを見ている。
そんな柚留を諭すように、付け加える。
「サークル見学も終わったし、あたしももう帰るし。また連絡するね? 谷内くんと遊んでおいでよ」
「じゃー、そうする。ありがとう」
電話の向こうに聞こえないよう、スマホを離して小声でのやり取りだ。
通話を終えるまで待ってから、あたしはこそっと柚留の服の袖を引いた。
「……あたしも、柚留以外の男の人は興味ないからね。三次元はっ」
柚留は目を見開いて、吹き出した。
三次元は、がツボったみたい。
それから周りをちらっと見渡して、あたしの頬に手のひらを添えた。
「知ってるー」
あたしの唇に一瞬だけ、柚留の柔らかい唇が触れる。
「……ここ外なのに。もう、そういうとこは大胆だなぁ」
「男らしい?」
「んー、なんかそういう問題でもないような」
あたしたちは、顔を見合わせて笑った。
……良かった。また喧嘩みたいにならなくて。
ほっとしながら、そこでバイバイする。柚留は谷内くんに会いに、あたしも帰路につくために歩き出した。