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あたしに全部見せなさいっ!~大学編~
第4章 サークル見学にご用心!

 ここは大人にっ。大人にならなきゃっ!
 柚留はちょっと申し訳なさそうにあたしを見ている。
 そんな柚留を諭すように、付け加える。

「サークル見学も終わったし、あたしももう帰るし。また連絡するね? 谷内くんと遊んでおいでよ」
「じゃー、そうする。ありがとう」

 電話の向こうに聞こえないよう、スマホを離して小声でのやり取りだ。
 通話を終えるまで待ってから、あたしはこそっと柚留の服の袖を引いた。

「……あたしも、柚留以外の男の人は興味ないからね。三次元はっ」

 柚留は目を見開いて、吹き出した。
 三次元は、がツボったみたい。
 それから周りをちらっと見渡して、あたしの頬に手のひらを添えた。

「知ってるー」

 あたしの唇に一瞬だけ、柚留の柔らかい唇が触れる。

「……ここ外なのに。もう、そういうとこは大胆だなぁ」
「男らしい?」
「んー、なんかそういう問題でもないような」

 あたしたちは、顔を見合わせて笑った。
 ……良かった。また喧嘩みたいにならなくて。
 ほっとしながら、そこでバイバイする。柚留は谷内くんに会いに、あたしも帰路につくために歩き出した。
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