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第4章 サークル見学にご用心！

　ふと思い出してあたしも自分のスマホを確認すると、五分くらい前に詩織から着信があった。
　折り返してみる。二回くらいのコールですぐに出た。

「あ、もしもしまりねー、ナイスタイミング！」
「ん？　何ーどしたー？」

　なんだかスマホ越しにでも伝わるくらいテンションが高い詩織に、気になって尋ねる。

「もう漫研サークルの見学は終わったの？」
「終わったよー！」
「じゃあさ、軽音サークルの見学行こうよっ！　新歓イベントでライブしてるんだってー！　楽しそうじゃんっ」
「えー、帰るとこなのにー……」
「暇でしょーっ、ゆずちゃんも連れてっ！」
「柚留は谷内くんと遊ぶんで、バイバイしたよー」
「じゃあもう一人で来いっ！　早く早く！　場所はね……」

　もう、やかましいなぁっ。あたしが行きたいサークル見学は付き合ってくれなかったくせに。
　だけど、そこまではしゃいでいる詩織も珍しいので、仕方なく付き合うことにする。ライブとか楽しそうだし。