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あたしに全部見せなさいっ!~大学編~
第4章 サークル見学にご用心!
タイミング微妙ーとか思いつつ、電話を切って一度歩いた道を引き返しながら、詩織が教えてくれた場所を目指した。
大学は広いから、案内板の地図を見ながら目的地に向かう。
だけど途中でふと聞き覚えがある話し声が聞こえて、足を止めた。
「……柚留の声?」
男の子にして高くて、のんびりしてるからわかりやすい。
まだこの辺にいるのかな。
だけどその声に混じって、女性の声もした。何話してるかまでは、遠くて聞き取れない。
谷内くんと遊ぶって行ってたのに、女の人?
大学の敷地内、茂みをそっと分け入って、声のした方を覗くと。
「嘘、あれって……」
あたしの視界に飛び込んできたのは、柚留と谷内くんともう二人。この前連絡先を交換していた大人っぽい二人の女の人だった。
何あれ……。急激に、怒りが込み上げてくる。
なんであの二人と一緒にいるの? 谷内くんと遊ぶって言ったじゃん。しかも四人がいるのは、まだ大学の敷地内とはいえキャンパスからは少し遠い、あまり人がいない場所。こんな場所で、何してるの? サークルの勧誘だってありえないでしょ?