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あたしに全部見せなさいっ!~大学編~
第6章 真実を探れっ!
あたしはむっつりと唇を尖らせたまま、詩織から顔を背けた。
「あんなやつ、可哀想でもなんでもないし……」
それが自分の本心なのかどうか、あたし自身にもよくわからなかった。
今までだって、激情に任せて柚留にきつく当たってしまったことはある。あとから冷静になって振り返ってみると、それはだいたいあたしに非があった。勘違いだったり、ただのあたしのわがままだったり、柚留はほとんど悪くないことが多い。
だからいつもあたしから謝る。柚留の気持ちを知って、自分の気持ちにも気付いて、付き合い出す前からずっとその構図は変わらなかった。
だけど今回は違う。柚留はあたしと付き合っていながら、他の女の子のところに行った。あたしに内緒で嘘までついて。そんなもの、浮気以外に考えられるわけないじゃないっ! 柚留にお仕置きして何が悪いの!
柚留に同情の余地なんてないっ!
「……わかったわよ。確かにあんたの言い分が正しければ、今回は彼が悪いわね。もう少し、経緯(いきさつ)を細かく説明しなさい。まずはその浮気相手の子から」
「……うん」
あたしも神妙な顔で頷いた。