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あたしに全部見せなさいっ!~大学編~
第6章 真実を探れっ!

某国民アニメのお母さんのような口調で、詩織はまくしたてる。
「いいから聞きなさい」
「はい……」
あたしは姿勢を改めて詩織に向き直る。ここが外じゃなかったら、正座して拝聴しているところだ。
「連絡を頻繁に取り合ったり、好きって言い合うのはカップルならみんなしてることよ。もちろんゆずちゃんのそれも愛情表現に変わりはないけれど、あたしが言いたいのはもう少しわかりづらい部分。ゆずちゃん、ちゃんとまりね以外の女の子には、一定の距離を取ってるし、接し方も変えてるのよ? 例えば呼び方とか」
「呼び方?」
「高校の時から見てたけど、あんただけだよ? 名前で呼んでる女子」
「……そーだっけ?」
「ほら気付いてない。あたしも二人が付き合い出してゆずちゃんと話す機会は増えたけど、あたしがゆずちゃんて呼んでも、彼はずっと大崎さんのままだね。話す距離もそう。まりねとはとっても近いけど、他の女子は二歩くらいは離れてると思う。付き合い出してからはよりわかりやすかったけど、その前からずっと、ゆずちゃんはまりねと他の女子との接し方をきちんとわけてたよ?」

