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あたしに全部見せなさいっ!~大学編~
第6章 真実を探れっ!
柚留う! という気持ちになってからはたと気付く。そこまで他人との距離をきちっていた柚留が、あの女の人には髪を触らせていたのだ。
ぱっと見た感じ、拒否してるようには見えなかった。
サークル見学の時女の先輩からちやほやされていた時は、拒否る態度を出していたのに。
そこを指摘すると、詩織は眉間にわずかに皺を寄せながら頷いた。
「それなのよねー。あたしが驚いたの。異性に髪を触らせる行為って、結構親密じゃないとしなくない? そもそも相手だって、むやみやたらと人の髪に触らないだろうし。ゆずちゃんの今までの女子との接し方を考えたらありえないと思う。だから、思っちゃったのよね。好意を持っちゃったのかなぁって」
「そんなあ……」
ぶち当たった事実に、目の前が真っ暗になった。
あたしのことが嫌になったのかな? 本当に最近までラブラブだったはずなのに、いつから柚留の気持ちは移り変わってしまったんだろう。
「ゆずちゃんがまりねを思い続けていた期間を考えると、まだしんじられないんだけどね」
詩織は意を決したように顔を上げた。
「もうこれは、直接確かめるしかないわね」
「へ!? 確かめる?」」
「年上の女性が何者なのか、ゆずちゃんとどんな関係なのか、直接聞きに行くよっ!」
「はあ!? そんなのムリ……っ」
「いいから! 事件解決するためには、まず現場検証よっ」
事件とは一体? それにこの場合、現場検証というより聞き込み調査だ。
「レッツゴー!」
「うわ、待ってよ詩織!」
悠然と歩き出した詩織を追って、あたしも駆け出した。