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あたしに全部見せなさいっ!~大学編~
第6章 真実を探れっ!
思わず大声をあげてしまったあたしは、慌てて両手で口を塞いだ。
とっさに詩織の腕を取り、近くの空き教室へと隠れる。
「な、なんなのよいきなり……」
あたしの声にびくっとなった詩織が、怒ったように言う。
「いっ、いいいい、いたのっ、柚留にちょっかいを出してた女の人がっ」
「嘘、どこに!?」
「廊下廊下、突き当たりを横切ったのが見えた」
思いがけずに悲鳴じみた大声を出してしまって、気付かれたかなと内心焦っていた。
だけど、その人と直接話したことはないし、気付かれたとしても平気かなとは思う。
「今日は女の人、一人だった」
いつも別の女性と二人でいるところばかり目撃してたけど。……柚留の浮気相手。髪を触ってた方の人だ。
「だったら、隠れてる場合じゃないわ! ターゲットを追うわよ!」
「ええっ!? で、でも……」
「このままおめおめと、ゆずちゃん取られちゃっていいわけ!? 年上だろうが先輩だろうが、人の男に手を出すなんてサイテーな行為よ! 浮気は突き止めてなんぼっ! ほら、行くわよっ!」
「は、はい!」
詩織の熱意に心を打たれながら、あたしたちは空き教室を飛び出し、さっきの女性が歩いていった方角へと走った。