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TORTURE −対女性拷問者−
第7章 三人目の"彼"
こんなにも距離の縮まった二人だが、麗夜の笑い上戸だけは、出会った頃から変わらない
「別に知らなくても困らないわ」
「さて、それはどうかな」
麗夜は悪戯っぽく笑った
「お前の旦那が困るだろう」
“……!”
瞬間、綺梨の表情が固まる
「あ、貴方には関係ないわ」
「……?
そうだな」
その反応に首を傾げる彼に、綺梨は慌てて話題を変えようとした
「さ、最近は仕事ないの?」
「ああ、だからお前と違って昼に寝られる。まぁ地下に昼も夜もないが」
「すっかり夜行性ってわけ」
スッ
麗夜の手が、綺梨の頬に触れる
“え……”
大きくて、冷たいけれど優しく包み込むその手−−−
グィッ
「いたっ」
ふいにその頬を引っ張られ、綺梨は麗夜を睨み付けた
「何するのよ!」
「別に。そっちは寝不足で酷い顔だと思ってな」
よく笑うのは変わらなくても、彼の笑い方は変わった
“本当に楽しそう”
からかわれることにむっとしつつ、そのことに幸せを感じる
「仕事が来なくなったのはどうも他人事じゃあないらしいがな」
ふと、真顔に戻ってそう言った