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TORTURE −対女性拷問者−
第7章 三人目の"彼"
車や会話の中で一瞬見ただけなのに、彼女の記憶力は大したものだ
「それで、お前はその守矢とどういう関係なんだ」
麗夜は聞きたいのはそこではないと言いたげだった
「婚約者よ」
「なに!?」
彼の目は大きく見開き−−−
「でも父様も酷いわ! それならそうと教えてくれればいいのに!
私と引き合わせたのも作戦のうちなのかしら?」
「いや……多分違うだろう」
険しい顔で立ち上がった
「ど、どうしたの?」
「姉弟なんだな? 弟の名は透で間違いないか」
「え? ええ」
「姉の方は豊胸か?」
彼女の顔が真っ赤になる
「な、なな何よ急に! そうだけどそれが……」
それだけで充分だった
「麗夜!?」
踵を返してドアに向かう彼を、綺梨は慌てて追いかける
「少し出る」
「え!? 何言ってるの!? 貴方狙われてるのよ!」
止めようとするその腕を強く掴み、
「いいから、今日は帰れ」
そう言った
“なんなの急に……あの二人に何か恨みでもあるの?”
麗夜の気迫に押し負けつつ、
「嫌よ」
断固反対する
「もしまた貴方に何かあったら……」
「いや……少し待っていろ」