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TORTURE −対女性拷問者−
第7章 三人目の"彼"
帰らせたいのか留まらせたいのか
どちらにせよ彼は綺梨の言葉を聞く気はないようだった
「これを」
しばらくして戻ってきた彼は、コートを着ていた
“やっぱり行く気なんじゃない”
そして差し出されたものは−−−
「これ……!」
「返し忘れていたからな」
いつかのハンカチ
「さぁ、部屋に戻れ」
それを無理やり握らせると、今度こそ出て行こうとする
「待って! お願い!」
綺梨の必死の叫びも、伸ばした手も、全てを振り切って−−−
“これじゃまるで……”
これじゃまるで、一生の別れみたいじゃない……!
“何の為に、どんな覚悟を持ったら行けるというの……自分の命を狙う相手の元などに……”
「見張りは何をやっているの!?」
そのことに気がつき、綺梨は急いで地下に向かう
ギイィ…
夜の地下はより一層暗く−−−
「ああ……!」
床には、見張りが二人伸びていた
「気絶させて無理やり行ったのね!」
幸いすぐに目を覚まし、綺梨は急ぎ父に伝えるよう命じた
勿論自分のことは伏せるようにも−−−