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TORTURE −対女性拷問者−
第7章 三人目の"彼"
“ここまでして、彼は何をしようというの”
遠ざかっていった、彼の冷たい背中−−−
返されたハンカチを手に、綺梨はただただ待つしかなかった−−−
“透という名の弟と、その姉”
となれば、あの夜の二人しかないだろう
「チッ……あの男……」
麗夜は感情を剥き出しにして唸った
“俺は……何を苛立っている?”
と同時に、初めて知った感情の起伏に驚いていた
“守矢という家は……”
聞き込み、見張りからくすねた金を手にとにかく彼らの屋敷に向かう
それしか宛てはなかった
の、だが−−−
“いた……”
幸か不幸か、彼が屋敷前に身を潜めだしてすぐ、目当ての二人が現れた
仲良く腕まで組んで、暗い裏道に入っていく
「ごめんね、姉さん。僕が不甲斐ないばっかりに治安部に目をつけられて」
「いいのよ、いつかは逃げるつもりだったんだし。それに、駆け落ちみたいで何だか嬉しいわ」
楽しそうに笑うその二人の前に、一人の男が立ちはだかった
「なっ、もう追っ手が……!?」
「……違う」
身構える弟とは逆に、姉の方は冷静に切り出した