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TORTURE −対女性拷問者−
第8章 番外編 拷問者の受難
麗夜は全く臆すことなく、ふんと笑い−−−
「……それを知ることに意味はない。
お前こそ誰なんだ」
と切り返した
「おいおい、人に名前を聞くときはまず自分が名乗るものだよ」
「先に聞いてきたのはそっちだと思うが」
由貴は相手の予想以上の頭の切れににやりとする
「これは失礼した。僕は由貴……ああ、僕たちの一族には名字がなくてね。綺梨の従兄弟だよ」
君と違ってね、と言い、二人の間に不穏な空気が流れる
“一悶着ありそう……”
心配していたよりよっぽど悪い方向に流れが進み、綺梨は必死で頭を巡らせた
「由貴……ああ、以前コイツに刺客を送った」
“麗夜、それ言っちゃだめよ!”
「それは僕らじゃない。柏木伯爵が勝手にやったことだ」
由貴の表情が初めて崩れ、怒りを顕にする
「しかしおかしいな……そのことは長と父、そして僕しか知らないはずなんだけど」
目を細め、訝しげに麗夜を見る
「柏木に雇われた人間かな?」
「……だったらどうする」
“挑発しないでよ!”
綺梨はまだまとまらない頭でとりあえず二人の間に割って入る