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TORTURE −対女性拷問者−
第1章 生殺し
「易い嘘で俺を騙そうなどと考えるな。
それとも、永遠にこの地獄を彷徨いたいのか?」
女はごくりと唾を呑んだ
「姫はパーティーの最中に頭が痛いと言って抜けたそうだ。そしてタイミングを合わせてお前がやって来た。まさか偶然とは言わないよな?
大方軽い毒でも盛られたんだろう。会場で殺すにはリスクが高すぎるしな。
だが暗殺され慣れ警戒心の強い姫に毒を盛るのは難しい。顔見知りでなければ不可能だ。
違うか?」
「だ、だから従兄弟の……」
「残念ながら、お従兄殿は今日お見えになっていないそうだ」
この男にはどんな嘘も通じない−−−
そして自分の知る真実を全て言わなければあの快感は得られない−−−
“もしかして……いや、もしかしなくても……”
一方の綺梨も、今の推理を聞いて頭を必死に巡らせていた
「さて、もう一度聞こう。これが最後だ。
お前の雇い主は誰だ?」
「柏木……伯爵」
女は震える声で言った
「柏木……あの大企業家の?」
「そうだ……彼は由貴様の父上をスポンサーにつけていて…莫大な寄付をすれば長にしてやると煽っていた」