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TORTURE −対女性拷問者−
第10章 逝き地獄
と、いうか−−−
「“代理人”!?」
綺梨は混乱しながらもひらりとナイフをかわし、体勢を立て直した
護身術がほんの少しでも役立ったのはこれが初めてだ
「安心しなさい。すぐに穢れを払って上げます。
あなたは神の御元へと……」
聖母のような微笑みで、女は再びナイフを振り上げ−−−
「おやめなさい」
対峙する二人は、声のした方へ同時に顔を向ける
「もう一人の処理も終わりました。無駄な殺生はすべきではありません」
綺梨は止めてくれたことにほっとしつつ、その女も例のペンダントをしていることに気付いていた
「ですが、彼女はこの男に……」
「最後まで奪われてはいないのだから、救いは不要です。……この件に関しては。
それとも、あの女のようになりたいのですか?」
ナイフを持った女は首を振ってそれをしまい、地に膝をついた
「お赦し下さい、シスター」
「立ちなさい。神はすべての罪をお赦しになります。この男の罪も、死によって贖われました。
祈りなさい。感謝を捧げなさい」
彼女らは少しの間黙祷する
非現実的すぎる出来事に、綺梨は逃げるのも忘れて立ち尽くす
「さぁ、次の罪人が赦しを待っています。もうすぐ裁きが始まるでしょう」
「ああ、いよいよなのですね!」