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TORTURE −対女性拷問者−
第11章 裁き
彼は綺梨を一瞥しただけで目を逸らしたのだ
いつか心を通い合わせた相手に、それ以外の反応はなかった
「では」
彼を取り囲むように立つ女たちに、シスターは呼び掛ける
「裁きを始めましょう」
それは静かに始まった
だが参加者が息を詰め、興奮を抑えきれないでいるのがひしひしと伝わってくる
「半年ほど前のビラや守矢透、叶姉弟の話から、あなたはただの罪人ではないと判断し、この場を設けました。
わたくしたちはここで得るであろう証言をもとに、治安部を告発するつもりです」
シスターは男の方に向き直った
「罪を償う為に正直に答えて下さい」
だが、彼はにやりと嗤うだけ。
「俺の為ではなく、お前たちが長を追い落として新たな地位を確立する為だろう?」
「口を慎め!」
一人の女が立ち上がり怒りをぶつけるが、直ぐに制止される
「それもこの邦の為……あなたはただ真実を話せば良いのです」