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TORTURE −対女性拷問者−
第11章 裁き
“何を言ってるのかしら?”
離れている綺梨には聞き取れない
「……なんでしょう?」
「“神の代理人”とやらと“女性の貞節を守る会”というのは同じなのか? それとも一部か?」
「“女性の貞節を守る会”はあくまで貴族の力を借りて反対運動をしているにすぎません。
でも言葉だけでは意味がない。行動しなければ罪深い人間はいなくなりません。代理人になれるのはその意志に賛同し罪を償わせる勇気と強い信条を持つものだけです」
綺麗事を並べているが、要は人を殺せるほど自身の信じるものに溺れているかということだ
「罪深い人間……そうでない人間がいるかどうかは分からんが、女もそうなのか?
男に弄ばれ、大切なモノを奪われ、そいつの欲望を注ぎ込まれることは罪なのか?」
「罪ではなく、罰です。何の罪もないのに彼女らは罰を受けてしまったのです」
「それは神とやらの思し召しではないのか? 罰せられた者を殺すのか?」
何の罪もない人間を殺すのか
その声は心なしか震えているようだった
「その穢れによって、女性がどれほどの傷を負うか、あなたのような人間にはわからないのでしょうね。
わたくしたちは痛みから解放し、救いを与えているのです」