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TORTURE −対女性拷問者−
第11章 裁き
先程と同じようなことを繰り返される
俺の知りたいことはそんなことではない
「無駄話はここまでです。そろそろ本題に入りましょう」
シスターは後ろを振り返ると、つかつかと歩き出した
すると、今まで騒いでいたのが嘘のように静けさに包まれる
「……」
自分の前で止まった彼女を、綺梨は睨み付けるように見上げた
「……哀れな娘」
小さな呟きが、聖堂の中に響き渡る
「身も心も、悪魔に穢されて……。
トーチャー、答えなさい。何故彼女の総てを奪ったのか」
「私は何も奪われてなんかないわ!」
その言葉に、更に憐れみの目が向けられた
「すっかりあの男の物になってしまって……安心なさい、すぐに救い出して差し上げます」
「私はただ……」
「ああ、俺はそいつから何も奪ってはいない」
溜め息をつきながら、彼は口を開いた
「お前、自分が正しい正しいと言うが、こんな下らない芝居をしている辺り、そうは思っていないんだろう?
この裁判で俺をねじ伏せて、やはり自分が正しいと信じ込みたいだけだ」
「ちが……」
「何を偽善者ぶっている。
本当はまだ躊躇いがあるんじゃあないか? 人を殺すことに」