この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
TORTURE −対女性拷問者−
第11章 裁き
全てを見透かしたようなその嗤いに、女の体が震え出す
「神だの正義だのと飾り立ててないで、自分の罪を認めろよ。
俺は罪を犯すことを責めはしない。認めさせるだけだ。
それとも、俺が認めさせてやろうか?」
「黙りなさい!」
シスターはかなり取り乱していた
今まで冷静だった顔は崩れ、怒りに満ちている
「それでは自分は正しいとでも言うのですか!」
「ハァ……そうじゃあない。ただお前たちと違って、自分が悪人だと受け容れているだけさ。
悪いことだろうが何だろうが、それが俺の役目だ。赦しなどいらない」
女たちは戸惑った
では我々は何を裁けば良いのか
自分たちのやろうとしていることは、ただの無意味な殺人なのか?
「どうした?」
そこに、男が更に畳み掛ける
「さっさと殺せ。どうせ俺は生まれ堕ちた時から地獄行きが決まっている。その上姦淫も人殺しもしているのだから……」
「もうやめて!」
綺梨は泣いていた
“それ以上言わないで……”
ずっと、感じていた
彼は自分がこの世に在ることの方がおかしいと思っている
“存在しない”と言われ続け、“存在してはいけない”と思い続けている