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TORTURE −対女性拷問者−
第11章 裁き
“そんなの、哀しい……!”
「自分を殺させようとなんてしないで! 生きようとしてよ! おねが……」
「五月蝿いな」
ここで初めて、彼はしっかりと綺梨を見た
「お前も利用しただけだ。 “姫”という地位は咎人が寄って来やすいからな。
お前の父親は嫌がったが」
「な……」
“何を…言っているの……”
「お前のお陰で今回も大物が釣れた。礼を言おう」
「嘘よ……麗夜……」
しかし、彼の目を見て彼女はハッと息を呑む
「操り易くて助かる」
“麗夜じゃ……ない”
今ここにいるのは“トーチャー”だ
出会った頃に感じた、あの冷たさが甦る−−−
それは拷問者に対する恐怖ではなかったのだ
“死”の冷たさ−−−
彼はもう、死んでいる
既に存在していない
「何を怯えている」
それは綺梨ではなく、シスターたちにかけられた言葉だった
「お前たちの神の裁きで俺を殺してみせろ、“代理人”」
シスターは罪人の前に立ち、その胸にナイフを定めた
彼女の手が震え、切っ先が彼の皮膚を僅かに裂く
「やらなければ、お前たちの正義は崩れ堕ちるだろうな」