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TORTURE −対女性拷問者−
第11章 裁き
今聖堂を包むのは、興奮ではなく、恐怖
今代理人を支配しているのは、神ではなく、この男−−−
「さぁ」
女が心臓を貫こうと一気に手を引いた
“ああ……”
綺梨はぎゅっと目を閉じる
彼女の頭の中に、馬鹿げた考えが−−−
“殺さないで”
でも、“彼”が死ねば“麗夜”が帰ってきてくれるような気がして−−−
「突入ーーー!」
大音声と共に聖堂の全てのドアが開き、武装した男たちが次々に入ってきた
「なっ、何!?」
トーチャーを除き、その場にいる全員が茫然とする
その騒ぎの中で、最後に現れた父親の姿が垣間見えた
「父様!」
「綺梨!」
長も娘に気がつき走り寄る
「大丈夫か? 何もされていないか? ケガは?」
「私は何もないわ」
隅々まで確認し、ようやく安心して綺梨を強く抱き締めた
「ああ…良かった……っ」
その温もりに一気に体の力が抜ける
だがほっとしている場合ではない
「どうしてここが?」
「トーチャーに発信機を付けていた。
綺梨、お前まさかアイツを追って……おい!?」
「トーチャー……」