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TORTURE −対女性拷問者−
第11章 裁き
綺梨はよろよろと立ち上がり、未だ縛られたままの彼にゆっくりと近付いて行った
「おい、何なんだコイツは」
「まさか……噂は本当だったのか? コイツが“治安部の闇”?」
「姫様とも面識があるみたいだぞ」
男たちは彼をどう扱ったら良いのか分からないらしい
ただ、誰もが嫌悪に満ちた目で見つめていた
「れいや……」
もう少しで、触れられる−−−
“貴方は……何を見てるの……?”
その手に−−−
「綺梨、駄目だ」
伸ばした腕を、長が阻んだ
「麗夜!」
「!!」
綺梨は最後の祈りを籠めて叫ぶ
「私を見て!」
彼はその冷たい目で−−−
何処か遠くを見つめたまま−−−
「俺は麗夜ではない」
目の前が真っ暗になった
「ぁ……」
崩れ落ちる綺梨を長が抱え、側近に託す
「娘を連れて帰ってくれ。後のことは追って知らせる」
彼女の姿が見えなくなると、長はトーチャーの方に体を向けた
「“レイヤ”……そうか貴様が……」
ガツッ
彼の頬に、怒りと憎しみと−−−全ての負の感情を含んだ拳が打ち込まれた
「貴様が娘を誑かしたのか!」