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TORTURE −対女性拷問者−
第12章 隠された真実
もう立ち止まってはいられない
“都合の良いところばかり信じて、真実を見ようとしないのは卑怯よね”
綺梨は涙を拭い、部屋の扉を開けた
「スゥー…」
大きく息を吸い、一歩を踏み出す
籠の、外へ−−−
食堂には、既に長の姿があった
「綺梨!」
入ってきた娘を見て立ち上がり、強く抱き締める
「すまなかった。私のせいで辛い思いをさせたな」
「いいえ」
絞りだすような声で謝罪をされ、自分がどんなに大切にされているかを感じる
「顔をよく見せてくれ」
長は綺梨の頬に触れ、愛おしそうに、そして心配そうにその顔を眺めた
「良かった……元気そうだな」
彼女の瞳を覗き込んで安心すると同時に、その中に強い意志があることを見て取る
今までのような我が儘ではなく、新たな試練に立ち向かう覚悟が−−−
「何か……聞きたいことがあるんだね?」
取り敢えず座るように促し、自分も向かい合って腰掛ける
「私はお前を傷つけたくない。それがたとえお前に窮屈な思いをさせるとしても……」
「私が何に傷つくかは、私にも分からない。だからここに来たの」