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TORTURE −対女性拷問者−
第12章 隠された真実
常に仏頂面で、近付き難い人なのだ
「何でしょう?」
「拷問だ」
「ごうも……っ」
彼は言葉に詰まる
「……尋問、の間違いでは?」
「いいや、拷問だ」
長は彼の前に手にしていたものを放る
それは大衆紙であった
『貴族連続殺人事件、未だ容疑者逮捕ならず。治安部の対応の遅さに怒りの声』
「容疑者の女を捕えるまでに被害者が十人近くに上ったというやつですね」
「そうだ、そろそろ逮捕しないと面目が立たん」
彼は顔をしかめる
「だから自白させろと? 待ってください、証拠があるから拘留したのでは?」
長は大きく息を吐いた
「民とは難しいものだ……法に基づいた厳格な統治を求められ、その通りにしようと慎重になれば腰が重いと非難する」
罪悪感から目を背けるように窓の外を見やる
「仕方がないのだよ……」
そして、部屋の一端、秘められた入り口を指し示した
「行け」
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カツン…カツン…
‘容疑者は行方を眩ませた。地下にいるのは双子の妹だ。
彼女の自白と、裁判で罪を認めるよう説得しろ’
“意味が分からない……”
妹には容疑者についての聴取だけして、指名手配すべきでないのか