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TORTURE −対女性拷問者−
第12章 隠された真実
長は何も言わず、ただただ蒼い顔をしていた
この邦の後継者が、あろうことか咎人と呼ばれた者との間に子供を宿した
それは怒りで済む話ではない
「この……馬鹿者がっ」
一度宿った命を親が奪うことは、奪えと言うことは倫理に反する
他にどうしようもない−−−
長は命じた
「その女を……妻に迎えろ」
「!?
し、しかし貴族でもない者を……それに拷問の事実が……」
「うるさい! 全てお前の責任だろう!」
親子は言い争ったが、息子に勝ち目はなかった
女は彼の妻になるべく、地下から出された
だが、結果はどちらにとっても最悪なものであった−−−
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「若様! 女が……女が逃げ出しました!」
「な……に!?」
二人は顔を見合わせる
これは、不味い−−−
「見張りは何をしていた!」
「次期長の妻の命令が聞けないのかと…一人にしてくれと泣きつかれたらしく……。
只今追跡中であります!」
今ほど技術の発達していなかったあの頃
必死の捜索にも関わらず、女の行方が分かったのは二年後のことであった
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