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TORTURE −対女性拷問者−
第12章 隠された真実
「お前は悪魔の子……」
女は自分の息子に向かって呟いた
「あんた、またそんなこと言って……その子には何の罪もないだろうに」
部屋に入ってきたお婆さんが、優しく諭す
「いいえ、存在を望まれなかった子など、存在自体が罪なんです」
これは女がいつも言っていることだった
「二年前に逃げてきたあんたを匿って話を聞いたときには驚いたよ……しかしそんなに嫌なら告発すりゃあいいじゃないか」
「もうこれ以上恥をかきたくないんです!」
大きな声に、幼子が驚いて母親を見る
「ああ、ごめんね……」
女は自分の子を優しく抱き締めた
「わからないよあんたの気持ちが……その子を罪と言いながらそんなにも可愛がってるじゃないか」
「だって我が子ですもの」
息子の黒い髪を撫でながら愛おしそうに目を細める
彼女の髪は−−−亜麻色だった
「でもあの男の子供でもあるわ」
その手に力が籠もり、子供の髪が少し引っ張られる
「まま……」
その子は混乱していた
幼いながらも母の気持ちを敏感に感じ取る彼
まだ二歳にも満たない彼の頭には、己が必要とされているか否か、それしかなかった