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TORTURE −対女性拷問者−
第12章 隠された真実



「死んだことにするんだ」



上司の命令の意味が分からず、守矢はますます顔をしかめた



「今日ここにいる治安部隊員を除く全隊員に……長にも、母子共々崖から身を投げたと伝えろ」

「それで、実際にはどうするので?」

「地下のあの部屋に繋いでおけ」



そう言って再び子供に目を向ける

既に泣き止んでいたその子は、畏れてまた震え出した



「コイツには……」



彼の瞳には憎しみが、憎しみだけが浮かんでいる

彼にとってその幼子は不義の子であり、決して存在してはならないもの

在ってはならない、彼の欲望の象徴

故に、憎い

だからこそ、彼は決めたのだ



「やってもらうことがある」



自分の中にある欲望を、罪を、総てこの小さな体に背負わせよう



「お前は拷問者だ。

この世の女どもから真実を暴き出す為の、な」



その日から、幼子は“トーチャー”と呼ばれた−−−







長が出て行った後もしばらく、綺梨は母の日記の表紙を指でなぞっていた

十年以上積もった埃はすっかり落ち、文字が金色に輝く

それを朱に染める光に、彼女はふと顔を上げた



“ああ、もう……”



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