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TORTURE −対女性拷問者−
第12章 隠された真実
焦る二人を前に、長は珍しく柔らかい笑みを浮かべていた
「いや、違うな。早く孫の顔が見たいのだ。
我が息子、我が娘よ」
私はつられて微笑んだけれど、目の端に夫の凍りついた表情が映った
「あの……?」
「あ、ああ、そうですね。励みます」
彼の冗談に顔が熱くなる
でも一月後、その言葉は冗談では済まなくなった
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お義父様が亡くなった
もともと持病があり、ここ最近は特に体調が悪化していたのだ
「私たちの結婚で安心してしまったんだろう」
彼は長という重責に憔悴しているように見える
「私も長の妻として、覚悟を決めなくちゃね」
この短い間にすっかり打ち解けた私たちは、この試練の中でも笑いあえた
「長の妻、か……」
しかし長はすぐに顔を曇らせる
「真梨子」
「はい」
「君に言っておかなければならないことがあるんだ」
そう言って立ち上がると、前に立って歩き出す
連れてこられたのは執務室だった
「私に言いたいことって?」
改めて聞くが、長は何も答えない
代わりに部屋の隅に行って何やら操作をしているようだった