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TORTURE −対女性拷問者−
第12章 隠された真実
私は半ば呆れたように笑いながら、彼の嬉しそうな顔を見て幸せを噛み締めていた−−−
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「な、なに、これ」
トーチャーは目の前の物体に怯えて縮こまる
「ワン!」
「うわっ!」
そんな彼の反応が面白くて私はわざとメイを近付けた
「犬っていう生き物よ。可愛いでしょう?」
「いぬ……これが」
「知ってるの?」
「ジュウカンっていうので習った」
その単語の意味が分からず首を傾げたが、この子の習うことで良いことはあまりない
とりあえず
「そっか」
で済ませておいた
「メイっていう名前よ」
犬の背中を撫でながら、トーチャーにちらっと視線を送る
「触ってみる?」
彼は一瞬躊躇う素振りを見せたが、恐る恐る手を伸ばしてメイに触れた
「あったかい……」
初めての相手に警戒しつつも、その温もりにほっと息をつく
「生きてるからね」
「死ぬと冷たくなるの?」
「……そうよ。冷たくなって、何処か遠くに行っちゃうの」
死を経験したことがない−−−いや、覚えていない彼は未知の感覚に少し体を震わせた