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TORTURE −対女性拷問者−
第12章 隠された真実
そして言って良いかどうか少しだけ迷い−−−
「励んだの?」
冗談っぽく笑ってみせる
いつか聞いたような言葉に私は少し驚いてから−−−
「励みました」
苦笑してみせたのだった
************
それから娘が生まれるまでの半年以上、私は彼に会っていない
邦の後継者を宿した私の傍には常に誰かが控えていた
「きーりっ」
まだほとんど笑わない我が子に笑顔を向けながら頬擦りをする
「すっかり母親だな」
「あなた! 部屋に入るときはノックしてください」
急に部屋の入り口に現れた夫に口を尖らせる
「何故? しないと何か不都合でも?」
「そういうわけじゃないけど。
いつか娘が年頃になったら叱られるわよ」
「随分先の話だな」
長は笑っていたが、少し不安そうな目をしていた
「どうかしたの?」
「いや……最近よくアイツのことを思い出す……。
綺梨は正式なこの邦の後継者だ。だがもしアイツの存在が誰かに知られたり、継承権を主張したら……」
「あなた」
私は綺梨を抱きながら、長に寄りかかる
「あの子はそんなことには興味ないわ。あの子が欲しいのはもっと別のものよ」