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TORTURE −対女性拷問者−
第12章 隠された真実
「長はお仕事が終わり次第いらっしゃるそうです」
「そう、分かったわ」
揺りかごを揺らしながら答える
その中で綺梨はやはり無垢な目で見つめ返すのだった
「少し下がっててもらえる?」
乳母や使用人はその低い声音に少し顔を見合せ、
「では、隣の部屋に控えております」
と言って出ていった
空はどんどん暗くなってゆく
今日は星一つ見えない
そしてその原因である月を待つ
ガサッ
「誰!?」
庭の隅で物音がし、真梨子は鋭い声を上げた
シ…ン
何も聞こえない
気のせいだったのだろうか
カサッ
再び物音がし、人を呼ぼうと口を開いた真梨子はそのまま固まってしまった
「トーチャー……」
そこには不安そうな顔をした小さな子供
「どうしてそんな所でこそこそしていたの?」
つい咎めるような言い方をしてしまう
「あの……誘われたけど来なかったし、昨日なんか怒らせちゃったのかなって」
やはり子供の勘は鋭い
真梨子の心の揺れを敏感に感じ取っていたらしい
「昨日はちょっと……情緒不安定だったのよ」