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TORTURE −対女性拷問者−
第13章 最高の快楽
「そう言われましても……奴の鎖や手枷をいちいち外している暇は……」
「それにあの男にそんな価値はありません。死んで当然の人間ですから」
“!!
なんて、ことを……”
「何も知らないくせに……」
「?」
「彼がどんな人で何を思って生きてきたかなんて、何も知らないくせに!」
綺梨はそう叫び、見張りの一人に飛び掛かった
「なっ……」
「鍵をちょうだい! 私が彼の鎖を解くわ!」
「姫様! おやめください!」
もう一方が暴れる綺梨を抑え、引き離す
「何故あんな奴の為にこの火の中に飛び込もうとなさる!」
「……」
綺梨はゆっくりと首を振った
「この火は私がつけたのよ」
懇願するように男の目を見つめる
「彼に会う為に」
見張りは俄かには信じられないという顔をしている
「早く放して。私は本気よ」
「しかし姫様の身に何かあれば長が……」
そこまで言って男は口をつぐんだ
綺梨はもう何も言わなかったが、その瞳には抗うことのできない何かがあった
それは長よりも強く、揺らぐことのない−−−
「ありがとう」