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TORTURE −対女性拷問者−
第14章 番外編 箱入り娘の花嫁修業
小馬鹿にしたような笑みに綺梨はむっとする
「何よ、失礼ね! そういうことは何か一つでも料理を作ってから言うべきよ!」
ふん、と顔を背けようとした彼女に返ってきたのは意外な言葉だった
「作れば良いのか?」
「えっ」
驚く綺梨の前で髪を緩く結ぶと食材を洗い始める麗夜
「つ、作れるの?」
「ああ。なんだ、俺専用のシェフがいるとでも思っていたか」
「ぅ……そっか……」
慣れた手つきで野菜を切ってゆく
麗夜の新たな一面を知ることが出来て綺梨は思わず顔を綻ばせた
「何を笑っている。その分だといくらたっても出来るようにはならんな」
“そんな言い方しなくてもいいでしょ!”
心の中で毒づいて軽く睨み付けるも、麗夜は目もくれずただちょいちょいと指を曲げる
「な、何?」
半歩近づき、フライパンの中を覗き込む
「違う、箸だ」
「あ」
綺梨は顔を真っ赤にして差し出された手に箸を置いた
ジュウゥ
絶妙な火加減で美味しそうに色付いてゆく野菜
グウゥ
綺梨は思わずお腹を押さえた
「……」
麗夜は少しの間手を止め−−−
「わ、笑わないでよ!」