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TORTURE −対女性拷問者−
第2章 蠱惑の華



男は困ったように呟く

その顔からは昨日のような恐ろしさは感じられない



「“トーチャー”……?」



思わず名前(と言っていいのかどうかわからないが)を呼んでしまい、綺梨は手を口で覆った



「何かご用ですか、姫」



なんだかわざとらしいその口調に綺梨は少しむっとした



「ここで何をしているの」

「別に、ただの散歩だ」

「ここは私の庭よ。いつもこんなことをしているの?」

「ああ、いつもはもっと遅い時間に来るんだが……」

「来るって、一体どうやって」



クックッ…



「何が面白いのよ」



この失礼な男に綺梨はもう恐怖など忘れていた



「すまん……ハハッ、いつも人に質問ばかりしている俺が、これだけ質問されているのでな」

「いつも……昨日のようなことをしているの?」



この質問にトーチャーはぴたりと笑うのをやめた



「お前に話す意味はない」

「ここまで言っといて?」



かねてから興味があったのだ

少しでも知ってしまったら、最後まで聞かずにはいられない



「父様に聞いたわよ。貴方、長直属の治安部隊に入ってるんでしょ」

「……アイツに聞いたのか……」



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