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TORTURE −対女性拷問者−
第3章 聖処女
心の内を悟られないよう、綺梨は社交界で身につけた鉄壁の営業スマイルで亜美を車内へと誘う
だがそれも、車に乗り込むまでのことだった
「さてと」
亜美が運転手に住所を伝え終わるのを見計らって、綺梨の方から切り出す
「今日亡くなった子、貴方の部活の後輩ですってね」
「そうなんですよ〜、いい子だったのになぁ」
亜美は彼女の質問に焦る様子もなく答えた
「ひどいいじめを受けてたみたいで……それを苦にしての自殺って噂よ」
「そうなんですかぁ? 亜美ぜんっぜん知らなくて」
「……貴方じゃないの?」
「……は?」
綺梨の直接すぎる問いに、亜美が初めて態度崩した
「私見たのよ、昨日。貴方とそのお仲間が彼女を罵っているところをね」
「人聞き悪いなぁ、あれは指導ですよぅ。あの人優秀だったけど先輩への態度がひっどくて」
「指導にしてはいきすぎてたわ」
「うちの部ではあれが普通なんです。
っていうかさっきから何なんですか? 変な質問ばっかりして。まるで亜美が悪者みたい!」
「ええ、その通りよ」
それを聞いた亜美はいよいよ本格的に喚きだす
「はぁ、なにそれ。さっきから下手にでてりゃ人を馬鹿にして! お姫様だから何してもいいと思ってんの!?」
対して綺梨はあくまで冷静に振る舞っていたが、それはこっちの台詞よ、と言わんばかりに相手を睨み付けた
"お嬢様なら気に食わない人間を排除してもいいっていうの!?"
「貴方昨日、最後に彼女に何か伝えたわよね。私には聞こえなかったけど。
何て言ったの?」
「別に。これからは気をつけるように言っただけだし」
苛立ちのあまり、さっきとはまるで違うキャラになっている亜美
「そうなの? 私はあのときに貴方が彼女に死ぬように言ったんじゃないかと思ったけど」
「はぁぁぁ!? 何言ってんの!? 証拠は? 根拠は? まさか憶測で言ってんじゃないよねぇ? だとしたらメイヨキソンってやつだよぉ?」
「今まで! 貴方が関わった人、死にすぎじゃない?」
亜美の態度にいい加減腹が立ってきて、綺梨も思わず大声を上げてしまう
「自殺、他殺、事故死……状況はバラバラだけど、みんな貴方の知り合いよね?」