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TORTURE −対女性拷問者−
第3章 聖処女
「だって、それ以外に方法が無かったんだもの!」
綺梨は必死で言い訳をする
「当たり前だ。ただの人間が、そう簡単に俺のような奴に会えて良いはずがない」
トーチャーは急に真顔になった
「お前は姫と呼ばれるのが嫌いなようだが、自分がどれだけ我が儘か分かっていないのか?
俺がここに来れたのも、全てはお前の身分のお陰だ。"長の娘"というな」
突き放すような言い方に、綺梨はつい負けそうになった
だが、そんなことで引き下がる彼女ではない
「それならそれでいいわ」
強く言い放った彼女に、トーチャーは目を見開いた
「この出来事の前に、私のプライドなんてちっぽけなものだもの。私の立場でどうにかなるのなら、いくらでも利用するわ」
「……」
力強い瞳で、トーチャーを見つめる
クッ……
「ハッハッハッ……」
"結構な笑い上戸ね、この人……"
綺梨は少し呆れつつ、トーチャーの笑いが収まるまで待つ
「いいだろう」
一頻り笑い終え、遂にトーチャーが折れた
「そこまで言うのなら協力してやろう。但し、俺は一切の責任を負わんぞ」
「ええ」
その応えを聞いてトーチャーは立ち上がる
「それで?」
「え?」
「咎人は何処だ?」
月明かりに照らされた、漆黒の拷問者−−−
綺梨はその冷たい瞳に恐怖を憶えた−−−
「お話ってなんですかぁ? っていうかこの人誰〜?」
放課後、あの空き教室に三人の影があった
立会人、咎人、そして拷問者−−−
「今から貴方に自白してもらうわ。貴方が犯した罪の全てを」
「私がやりましたぁ」
亜美はめんどくさそうに言った
「って言えば満足ですか〜? だってあの人たちムカつくんだもん。亜美より可愛くて亜美より優秀なんて許されないの。マジ死ねばいいのに〜、ってああそっか、死んだんだったぁ」
あはは、と笑う女
"狂ってる……!"
「ああでも、警察なんて行かないよぉ? 行っても信じてくれないだろうし。だって証拠とかないもんね〜」
「うるさい!」
一人で騒ぐ亜美に綺梨は怒りをぶつけた
"どうしてトーチャーは何も言わないの……!?"