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TORTURE −対女性拷問者−
第4章 芥子の実
「はっ!」
会議が終わり、隊員それぞれが仕事に取り掛かろうという時、一人の男が飛び込んできた
「長、大変です!」
「どうした」
側近であるその男は長に顔を寄せ小声で言った
「トーチャーのことが漏れています!」
その頃、綺梨も友人の質問攻めにあって困っていた
「ねぇ、これ駅で配ってたんだけど、どういうこと!?」
「長の治安部隊には女性を専門とする拷問者がいて、尋問の名目で女性の体を貪っている、だって!」
「最近立て続けに起きている強姦殺人事件は、罪人だけでは物足りなくなったこの者の犯行に違いない、って!」
『治安部に潜む闇』
少女たちの手に握られたビラの内容は、明らかにトーチャーのことを示していた
“でも……私欲による強姦に、殺人!?”
悪魔のような笑みを浮かべて去っていったあの男−−−
でも綺梨には、そのビラがどうにも信じられなかった
「何か知らないの!?」
「あなた次の長でしょう!」
昨日まで共に笑っていた友人が、まるで別人のように綺梨のことを責め立てる
その時だった