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TORTURE −対女性拷問者−
第4章 芥子の実
怒鳴りつける長に対して、トーチャーはただ首を傾げた
「それはおかしいな。バラさないようちゃんと言っておいたのに」
「とにかく、治安部は私が隊員たちも気付かないくらいに操作して動かす。
貴様は単独で調査しろ」
「俺が動いたら余計面倒なことになるんじゃないか?」
トーチャーはまるでゲームでもしているかのようにニヤリと笑う
「貴様も見張りも誰を何の為に尋問したのか言わないからだ。
それに治安部は鼻が効く。本当に貴様のことを知られればその方が面倒だ」
トーチャーは頷き、立ち上がった
「了解した。
幸い俺は“存在しない者”だからな。誰に見られようが問題にはならない」
そう言うと、例の扉から外へと出て行った
カツン…カツン…
ゴゴゴ…
トーチャーとの密談を終え部屋に戻った長は、秘密の入り口をしっかりと閉める
「そこにも通路があったのね」
声をかけられ、ぱっと振り向く
「綺梨!」
娘の姿を捉えた瞬間、長は誰よりも見られたくない相手に見られてしまったと思った
「何故私の部屋に……」
「父様にどうしても話しておかなくちゃと思って」
「?」