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TORTURE −対女性拷問者−
第5章 許されざる拷問具
その言葉は、冷たくも温かくもなかった
「謝りたかったの……何も知らないのに悪魔なんて言ってしまったこと」
「なにもお前が謝ることじゃない。言っただろう、言われ馴れていると。
事実、俺は拷問という方法で快楽を得る悪魔なんだよ」
トーチャーは冷ややかに嗤う
自分を貶めるかのようなその言葉に、綺梨は思わず叫んだ
「そんなことない!」
少し怒ったように彼を見る
「私は貴方のこと何も知らないけど、そんな人じゃないって、今は分かる。
快楽とか、そんなものの為に自分を犠牲に出来るわけないじゃない!」
そんな怪我をしてまで、貴方は何故快楽などと言える
「……」
“どうして黙るの? 人には無理やり喋らせるくせに。
どうして自分のことになるとそうやって口を閉ざしてしまう……”
綺梨はまっすぐに目を見て言った
「知りたいわ。貴方のこと」
「…話すことは……」
「貴方の過去とか、立場とかはいいの」
“ただ、貴方の気持ちが知りたい”
「貴方は何を思って人を追い詰めるの」
その問いに、トーチャーは少し黙る
それは、今まで殆ど考えたこともないようなことだったのだ