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TORTURE −対女性拷問者−
第5章 許されざる拷問具
「風呂を貸してやろう」
「手を洗うだけで十分よ」
尋問を終え、二人は地下通路を歩いていた
「ふん、俺に嘘は通じない。
服を捨てたいってくらいの顔をしているぞ」
軽く笑うトーチャーを見て、綺梨はつんと顔を背けた
「今回ので少しは見直したでしょ」
「そんなことの為にあれだけやったのか……おかしな奴だ」
男は少し呆れたように言う
“やらせるべきじゃあなかったな”
「ていうか……ここって意外と何でもあるのね」
洗面所に案内された綺梨は、手を洗いながら呟く
「別に何でもってわけじゃないが……シャワー、トイレ、取り敢えず必要最低限のものは揃っている」
「へぇ」
「なんだ、尋問するだけだと思っていたのか?
残念ながら俺も人間でな。それも“存在しない”から此処だけで生活出来ないと都合が悪いんだよ」
そうやってまた自嘲する−−−
「貴方は……」
綺梨はトーチャーの手に触れた
「ちゃんとここに“いる”じゃない」
「……っ」
トーチャーは驚いて手を引っ込めた
「……では、“存在してはならない者”だ」