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TORTURE −対女性拷問者−
第5章 許されざる拷問具



それを何とも思っていないのがこの男の恐ろしいところだ



“まぁ確かに脂まみれの汚いおじさんがあんなことしてたら犯罪臭いわね……って、拷問も立派な犯罪じゃないの! それを顔で免ぜられてるみたいな……でも…やっぱり綺麗よね……”



綺梨の頭は混乱していた



「どうした、急に静かになったな」

「なんか……よく分かんなくなっちゃった」



それから長い間沈黙が続き、周りはどんどん暗くなってゆく

暫くして、トーチャーが空を見上げて呟いた



「ああ……今夜は満月か……」



その言葉に綺梨も顔を上げる



「わぁっ……綺麗……!」



空には驚くほど大きな月がかかっていた



「意外……貴方も月なんか見るのね」



綺梨はクスッと笑った



「何が可笑しい」

「だって、あんなに大勢の女の人を皆同じだなんて言って、月なんてほんとに一つしかないのに」

「……」



トーチャーはじっと綺梨を見つめ−−−

また月に目を戻した



「そうだな……あの月にとっては、人間皆同じかもしれん」

「え?」



彼の声が小さすぎて、綺梨は振り向いた



「……!」



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