この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
TORTURE −対女性拷問者−
第6章 禁じられた遊び
「お会い出来て嬉しいです」
その夜、綺梨はずっと貼りつけたような笑顔でいた
“嫌だわ、こんな婚活みたいな”
一つのテーブルに、一人の娘と十人もの貴公子が座る
左隣はもちろん父親で、右隣は−−−
「本当に、思った通りの可愛らしい方だ」
柔らかい笑顔をした、優しそうな美男子
“彼が父様の大本命ね”
守矢透
綺梨たち長の一族に継ぐ財産を持つ家柄
その跡取り
「どうかな? 彼はなかなかの好青年だと思うが」
左から父の嬉しそうな声がする
「いえ、僕はまだまだ若輩者です。お義父さん」
謙遜しながらもしっかりと婚約者面する右側
“もう私の意思どうでもいいじゃない!”
ガタッ
「き、綺梨?」
「姫、どうしました?」
急に立ち上がった綺梨に、周りは騒然となった
「い、いえ……ちょっとお手洗いに」
笑ってそう言うと、綺梨は逃げるように部屋を後にした
「ウ…クッ……」
洗面所で、綺梨は涙を必死にこらえる
“泣いちゃいけない……泣いたら負けよ”