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TORTURE −対女性拷問者−
第6章 禁じられた遊び
さぁ、と促され、
「あ、ありがとうございます……」
なんだか良くわからないうちにその場を後にした
人気のない庭、暗い木の下で、男は城を見上げていた
“今夜はパーティーだったな”
中からは、なんとなく賑やかな雰囲気が漂ってくる
もう何年もその空気には触れているのに、見たことはなかった
“其れに何を感じたこともなかったが……”
男の目は宙を彷徨う
“アイツがいないとつまらん”
綺梨は彼に思い出させてくれた
人間が纏う“空気”を。
彼を其処に在る人間として見てくれた
“なんだかな……アイツといる間だけは……”
トーチャーはフッと笑う
「麗夜!」
その声の主を見て、麗夜は目をしばたいた
「なんだ、抜けてきたのか。相変わらず姫らしくもない」
隣に腰掛けた綺梨をからかう
「姫らしくなんて…なりたくないわ……」
「……何かあったのか」
珍しく沈んでいる彼女に、静かに、それでいて優しく問い掛けた
「父様がね、婚約者を決めるようにって……」
“!”