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TORTURE −対女性拷問者−
第6章 禁じられた遊び
その一つ一つに、麗夜は優しく、厳しく、ただ冷静に返す
「所詮お前は籠の中の鳥なんだな。
外の鳥を見て、其処がどんなところか知らずに憧れる」
「知ってるわ! 寒さに震え、飢えに耐え、それでも温かいところで餌を貰える鳥が幸せとは限らないのよ!」
怒鳴りつける彼女を、彼はじっと見つめた
「……果たしてそうか?」
そして静かに切り返す
「寒さに震える必要もなく、飢えることもない。それは幸せなことだろう?
不幸なのは籠の中に縛られているということだけだ」
更に口を開こうとした綺梨を、彼は制止する
「たった一つを見て、全てを決めるな」
彼は目を伏せて小さく言った
「本当に不幸なのは……それに気付かず、生きることそのものを不幸と思うことだ……」
綺梨はその言葉に何か彼の哀しみが籠もっていることに気が付いた
「ごめんなさい……」
その言葉に、麗夜は首を傾げた
「何だ?」
「私、我が儘だったわ」
「ハッ、別に、それが正常だろ」
俺は異常だがな、と言いながら、麗夜は立ち上がった
「こんなとき……母様がいたらなって、思うわ」
その言葉に、麗夜の顔が少し強ばる
「ねぇ、母親ってどんななのかしら……私あんまり覚えてなくて」
ふと顔を上げた綺梨は彼のその表情に気がつき、少し慌てた
「あ……貴方に言ってもしょうがないのにね! ごめんなさい、忘れて?」