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触手回廊
第4章 獣

では、この空間はなんなのか……自分から養分を吸い取られているのでは?ふと嫌な想像をして、頭を振ってそれを否定した。
集中が切れてしまった。
考えてもまとまらず、思考を放棄する。
ため息とともに魔力を放出し、再度洞窟の中を調べる。
さっきの記憶と照らし合わせ、この洞窟の余白だった部分をうめていく。
おかしなことに気が付いた。
先程調べた時はばらばらに動いていた人型、獣型達が、同じ方向に動き始めている。
明らかに種族の違うもの達が、揃って同じ方向に歩を進めている。
明らかに異質な事態に、その流れを追った。
集合地点に近付き、隠密行動が難しくなった。
身体の周囲に風を集め、空気の密度を高めて光を屈折させ、姿を隠蔽する。
集合地点は、何の変哲もない洞窟の一角だった。
姿を隠蔽しているために、周囲を歩み続ける外敵からは見付かっていない。
見つかっていないが、手詰まりだった。
敵の密度が濃すぎる。
これ以上進もうとすれば、どうしても外敵との接触は避けられないだろう。
そもそもウィンは、戦闘用の魔術を得意としていない。
近接戦の心得があるフレアやアクアならともかく、目の前の大群の中に潜り込むのは自殺行為だ。
集中が切れてしまった。
考えてもまとまらず、思考を放棄する。
ため息とともに魔力を放出し、再度洞窟の中を調べる。
さっきの記憶と照らし合わせ、この洞窟の余白だった部分をうめていく。
おかしなことに気が付いた。
先程調べた時はばらばらに動いていた人型、獣型達が、同じ方向に動き始めている。
明らかに種族の違うもの達が、揃って同じ方向に歩を進めている。
明らかに異質な事態に、その流れを追った。
集合地点に近付き、隠密行動が難しくなった。
身体の周囲に風を集め、空気の密度を高めて光を屈折させ、姿を隠蔽する。
集合地点は、何の変哲もない洞窟の一角だった。
姿を隠蔽しているために、周囲を歩み続ける外敵からは見付かっていない。
見つかっていないが、手詰まりだった。
敵の密度が濃すぎる。
これ以上進もうとすれば、どうしても外敵との接触は避けられないだろう。
そもそもウィンは、戦闘用の魔術を得意としていない。
近接戦の心得があるフレアやアクアならともかく、目の前の大群の中に潜り込むのは自殺行為だ。

